「月への階段(STAIRWAY TO THE MOON)」とは、水平線から月が昇るとき干潮の海面に映る月の光が階段のように見える自然現象です。満月から前後3日間しか見ることができず、見られる場所は、西オーストラリア州の北部の数カ所のみです。一番有名なのはブルーム(Broome)ですが、実はカラサ(Karratha)でも「月への階段」を見ることができます。私は、2021年4月28日に「月への階段」を見に行きました。今回はカラサでの「月への階段」を見られるおすすめの場所や注意事項などをまとめました!
「月への階段」が見られる時期・時間
カラサで「月への階段」が見られる時期は、乾季にあたる3月〜10月が見ることができます。「月への階段」が出現する日時をまとめたサイトがあるので、こちらを参考にすると便利です!
Staircase to the Moon | Australia’s North West
カラサで「月への階段」が見られる場所
ハーソンズ・コープビーチ(Hearson’s Cove)というカラサの隣町であるダンピア(Dampir)にあります。カラサ中心部から車で30分ほどです。このビーチの周りは人が住んでいません。あるのはトイレだけです。ほぼ自然のままなので、カニやヤドカリなどの生き物を見ることができます。
準備:月への階段を見る前に必要なもの
車
車がないとこの場所に行くことができません。少しだけ砂浜を走ることになるので4WDがおすすめです。
食べ物・飲み物
ハーソンズ・コープビーチは、周りにトイレしかありません。食べ物も飲み物もその場で調達することができないので、必ず用意してから出発しましょう。
長袖・長ズボン
夜なので少し肌寒いこともありますが、虫が本当に多いです。虫よけのためにも、長袖・長ズボン、できるなら靴を履いておくとより良いです。私はサンダルで行ったら、足の甲や親指を刺されめちゃめちゃかゆかったです。あとそのときに噛まれたどうかはわからないのですが、長スボンを履いていたのに脚にもいくつか刺されていてかゆかったです。2、3日経ってもかゆいです。
虫除け・虫刺され薬
全身に振りかけましょう。服の上からたっぷりと。
レジャーシートやキャンプ用チェア
月が登るまで待たないといけません。私の場合は1時間くらい待ちました。砂浜で待つのでレジャーシートやキャンプ用チェアなどがあると便利です。
ライト(スマホでも十分)
帰り際、忘れ物がないか確認するためにあったら便利です。
カメラ(望遠できるもの)と三脚
撮影するなら三脚が欲しいところです。月はやっぱり小さいので。「月への階段」を写そうとなるとiPhoneでは難しかったです。スマホで撮影するとこんな感じです(iPhone11で撮影)。
私は一眼カメラを持っていきましたが、標準レンズしかないため小さくしか写すことができませんでした。
行き:日が出ている内に出かけよう
カラサから向かう途中、ダンピア(Dampir)とハーソンズ・コープに行く分かれ道があり、ハーソンズ・コープ方面に進むと街灯が一切ない、周りは草原だらけの道をひたすら進むことになります。途中、ガス工場を見ることができますが、後は本当に何もありません。なので、日が出ている内に出発したほうがいいでしょう。
到着:時間までゆっくりビーチを楽しもう
到着したら、ビーチに車を停めて、シートや椅子を設置して月が昇るまでゆっくりしてください。日にちにもよりますが、日が沈んでから、月が昇るまで結構時間が掛かります。私が行ったときは6時に日が沈んで、7時頃月が昇りました。1時間くらい待ちました。その間はビーチを楽しんだり、用意した軽食を食べたりしていました。

夕暮れ時も海面に空の色が反射してとてもきれいでしたよ。干潮なので、ヤドカリやカニなどの海の生き物を見ることもできました!
日が完全に沈んでからは真っ暗で、スマホを使っているだけで虫が寄ってきました。でも、外灯がないので星をたくさん見ることができました。
本番:いよいよ!月への階段

真っ暗な海をずっと眺めているとホストマザーが「ほら、あそこ」と指を刺しました。ほとんど真っ暗で最初どこだかわかりませんでしたが、よく見ると一部海面が少しオレンジ色に光っています。と思ったら、だんだんと光が強くなり、あっという間に月が昇り始めました。初めて月が海面から昇るところを見ましたが、月も太陽と同じで昇り始めはオレンジ色なんですね。結構眩しいです。それから月が昇りきり、数分後には「月への階段」が現れました。私は撮影しようとカメラを取り出ましたが、三脚がないのでブレるブレる……。撮影する方は、しっかりとカメラを固定する準備をした方がいいです。

時間が経つと「月への階段」も崩れていきますが、その変化の様子も美しいです。水面に映る月の光がなんとも幻想的でした。月の色もオレンジ色から黄金色へと変化していきます。
帰り:帰り道は、あの動物が出るかも!?
帰りは灯りもないので、道路は特に気をつけて欲しいですが、日没後は野生動物が出やすくなります。地元の人が、この場所でよく出ると行っているのがハリネズミです。英語だとHedgehogです。私のホストマザーも、以前この場所を通ったときに見たらしく、「ここを夜通るときは、注意してね!」と言っていました。
まとめ
「月への階段」は、年に十数回しか見られない、しかも見られる場所は限られている貴重な現象です。ぜひ、西オーストラリアの北側に来た際は、「月への階段」を見てみてください〜。